紙の本が100%亡くならないと断言できる、たった一つの理由   2 comments

Posted at 8:44 pm in book,diary

紙の本が100%亡くなると断言できる、たった一つの理由そうですよ。

「亡くなる」という定義がないのでちょっとアレなんですが、全部発行が停止することと考えると、反証するのは簡単ですね。

「俺が作るから死なない」

まあ俺が死ねば終わりですか。

そんな冗談はともかく、紙媒体で未だ仕事させていただいている身としては、食い扶持が消えるのは困るので、紙の書籍が本当に100%死んでしまうのかどうかちょっと考えてみたいと思います。なお、私は出力媒体が紙かデータかはともかく100%データで仕事をしている身分なので勘違いしないでください。PCがない世の中になると死んでしまいますよ。

ということでちょっとだけ考えてみたのですが、3つネタを出してみました。

1.電子媒体は脆弱

2.電子媒体は複雑

3.日本人はデータにお金を払いたがらない

まだあるかもしれませんが、まあとりあえず、そんなことについてダラダラ書いていきますよ。

まず、1ですが、電気が通ってないところでは電子ブックは読めないけどどうよ?ってことです。水に濡れたりケーブルが切れたりデータが飛んだり、という紙にはないリスクがあります。インターネットのサーバーなんかではこれらのリスクに対応した二重化だったりバックアップだったりUPSだったりいろいろしてますが、それができるのかは疑問です。バッテリーで100年持つデバイスを作ればいいんでしょうけど。

そして2ですが、1にもちょっと関連はしているのですが分けてみました。

紙媒体の強みは「単純」なことです。極論を述べると誰かが紙に落書きでも書いて閉じればそれは「書籍」です。その単純さが電子データになることで失われていきます。急に路上で絵入りの詩集を売りたくなったときに電子データで誰が作るかっていう話です。
あと、発行者はそのデバイスの設計や制作をしているわけではありませんので、いわば電子ブックの仕様を決めた人たちに金玉を握られてる状況です。デバイスのバグだったり設計者の意図によっても自由な出版活動が阻害される可能性はあるでしょう。まあ出版社も取次に金玉握られてるみたいなもんですがw

ということで電子データを忌避して書籍を選ぶパターンがあるだろうから、割合はともかく現状では紙の本は亡くならないでしょう。まあそんなこといってもレコードだってCD→MP3と移行したじゃないという反論もあると思いますが、俺たちはレコードだって作ることはできないので、それとこれは別問題でしょう。

そして3.については着うたやiTuneなどでデータにお金を払うことに対する壁は少しずつ取り払われているような気がしますが、なかなか形のない物についてお金を払いたがらないようです。電子ブックも10年くらい言われていますが、日本ではなかなか普及しないようなかんじです。このへんはデータが手元にないのであくまでも推測です。

電子データにお金を出したがらない風潮がなくならない限り、紙を出すことにこだわる人は減らないと思います。そういう人がいる限り紙の本が亡くなる可能性はないと言えますね。

で、他に心理的でない理由を考えると、上製本だったり飛び出す絵本だったりデータで再現できない書籍があります。書籍≒電子データだったりしますので、すべての紙の本は電子データに移行できないのです。なので、ほぼすべての紙媒体が電子データに移行した場合でも紙の本は亡くならないでしょう。なかなかしぶといものです。

最後に、まだ紙の書籍を書店に流通させることがステータスとなっていることもあります。社長さんにインタビューして書籍に仕上げる仕事をしてる人は、実は今休む間もないくらい忙しいそうですよ。取材してても媒体が紙かWebかによって態度が違う人もまだいますしね。こういう紙を電子データより上と考える人たちが存在する限り紙の本はまだまだしぶとく生き残るでしょう。自分より年下の人でもそう考えている人が意外といますので少なくとも私が生きてる間は死なないのではないでしょうか。

実はこれがいちばん書籍を生き存えさせるのかもしれません。

※5/19ちょっと舌っ足らずだったので追記しました。

Written by bogus on 5月 18th, 2009

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